団塊の世代に贈る・・・これからどうする?
(現役か、ボランティ活動か?)
現役を卒業したら、ボランティ活動をすすんでする。ボランティア活動を通じて「自分も社会に貢献できる」、「自分の技術・能力の市場価値がある」と考える。
いろいろなボランティ活動があるが、「技術の伝承」にこだわらない。どこかの記事で、日野原重明さんが、ボランティ活動の例として「子供に昔話をしてあげる」ことをあげておられた。こうした活動も、広い意味で「技術の伝承」と理解すればよい。
定年後の再雇用制度で、現在の仕事を続けるのが「現役を続ける」という意味で理想だと思う。この場合はまさしく「技術の伝承」である。
「技術」という文字にとらわれず、社会に貢献することは山ほどあるのだから、現役にこだわらずに、個人の得意な分野で貢献すればよい。
ただ、いつまで現役を続けるかは、個人差がある。最近73歳のクリント・イーストウッド監督は、TVのインタビューに「自分の中では引退とは、自分の納得のいくレベルの仕事が出来なくなった時に考える」と答えていた。
なるほどその通りだ。無理して背伸びをしないことだ。歌手で声が出ないのに歌っている姿を見ると気の毒になる。
ちなみに、クリント・イーストウッド監督・主演の「ミリオンダラー・ベイビー」(2004アカデミー4部門受賞)が2006年12月7日TVで放映された。偶然だが、10月に船内でこれを見た。各々の部屋にあるTVに流されていた。見ごたえのある作品だった。
現役が望ましい反面「人生を楽しむ」という観点からは、いつまでも現役が良いかどうか疑問な点もある。現役を続けながら、「人生を楽しむ」ことと、「(ストレスのある)仕事」とのバランスがとれれば一番理想である。
昨年定年退職された方からいただいた2007年の年賀状に「趣味、ボランティア、仕事のバランスを取りながらの第二の人生のはずが、バランスが崩れ趣味の時間が減る一方です」というのがあった。
万人に共通の回答はないのだろうが、一つの考え方は、徐々に趣味に使う時間を増やすことが良いと思う。そのスピードも人さまざまで良いのではないか。オンリーワンの思想だ。
やはり、自分の時間と、ボランティ活動・仕事などに費やす時間とのバランスも大事な要素である。趣味に使う時間や、家族・友人を過ごす時間は十分確保しておきたい。
ただ、バランスをとる単位を毎日~一週間ではなく、3~6ヶ月くらいの長期の中で考えるとよい。仕事が入れば、趣味は少し後回しでもよいだろう。ただし、仕事に夢中になると自分の時間がなくなってしまうので、あらかじめ計画を十分立てることが大切だ。
例えば、仕事でもボランティ活動でも、引き受ける前に自分のために使う時間をあらかじめ確保した上で、計画を立てることをお勧めする。私は定年後5年間、そうした考え方で過ごしてきたつもりだが、なかなか思うようにはいかない。
バランスをとることは、生き方についてだけでなく、あるべき国の姿を議論するときにも大事なことである。
藤原正彦御茶の水女子大学教授の「国家改造という大それた仕事にとりかかるなら、それに見合った日本の叡智を結集しなければならない」だから、市場原理主義に偏らない、バランスの取れた議論がなされるべきだ、という主張に、「アッ!これだ!」と気がついた。
(「国家の堕落」文芸春秋、2007.1)
教授は「日本には、お金よりも大事なものがいくつもある」現状では市場原理に偏った議論により「改革の名のもとに、国柄を壊している」日本は、「特殊な伝統や美風といった国柄が、微妙かつ絶妙な『バランス』をもって機能しつつ発展した不思議な国である」という。
これからの世の中の動きを見ていく上で、非常に参考になる見方だ。既にふれたように「一つの意見を聞いたら、他の意見もある」と考え、他の意見にも虚心坦懐に耳を傾ける、習慣を持ち続けることが大事だと思う。
(「カキクケコ」という標語)
「人生を楽しむ」ためのコツを話し合う自主企画で「カキクケコ」という標語を教えてもらった。カ:感謝、キ:興味、ク:工夫、ケ:健康、コ:恋、だそうだ。
読者の皆さんは、それぞれご自身に合う標語をお持ちだと思う。私の場合、「カキクケコ」に沿って「これからどうする?」と自問自答すれば、次のようになる。
第一に、「感謝」の気持ち。Kさんの私に対する「奥さんに感謝し、生きている間に奥さんを大事にしなさい」というメッセージを大切にしようと思う。
「親切は人のためならず」も大切な言葉だ。近所の奥様が、医者から「一日に一つは他の人に親切なことをしたかを、毎日ふり返りなさい」と言われたという。ボランティア活動も含め、親切にしようという気持ちが大事だと思う。
第二に、これからも、目標を立て、いろいろな「興味」は持ち続ける。油絵も描きたいし、ピアノの新しい曲にも挑戦したい。
ただ、挑戦のテンポは今までより「スロー」で良いと思う。時間の過ごし方をゆっくりする。歩き方は「ゆったり」に変わらないかも知れないが、待つことを楽しめるだろう。
第三に、「時間管理」を身につけて、いろいろな「工夫」を楽しもう。多様な人と付き合う工夫も身についた。
第四に、「健康」第一。今まで以上に、健康に時間とお金を重点的に投資しよう。
第五に、「恋」は「ときめき」「感動」を大切にする、ということだと思う。ハイビジョンで見るNHKの世界遺産も感動するが、ピースボートで訪ねた世界遺産の光景は網膜に焼き付いていて、その感動は違った質の感動だ。この差はCD・MD演奏と「なま」演奏の差に似ている。これからも、「なま」に接する機会を多くしよう。
12月17日NHKの「認知症・・・そのとき、あなたは」で「社交ダンス」は異性の手を堂々と握れるので良い、と言っていたのはこのことだ。社交ダンスの代りに、例えば、若い人々と話すことも良いと思う。
要は、「人生を、自分流に、ゆったりと、前向きに、楽しむこと」の一言につきる。
船長によるさよならパーティ
10月22日:「DAつSA BoつSAの人生相談」
「DAつSA BoつSA」というのは、二人の若者のニックネーム。名前の由来はよくわからない。彼らの企画する「人生相談」にゲストとして出てくれという。若者たちとのよい交流の機会と思い、Mさんにも声をかけて出席する。
二人は学生で、まじめにこれからの人生を悩んでいるように見えた。ただ、リストラによる賃金カットなど、マスコミで取り上げられる暗い面を強調しすぎるので「マスコミの情報に振り回されないために、2紙以上の新聞や、月刊誌を読むのが理想だ」とアドバイスした。こうした企画に出てこない若者たちのほうが心配だ。
10月24日:船内新聞の航海日誌
船内新聞には航海日誌というコラムがあり、クルージング・ディレクター(ピースボート旅行全体の責任者)Nさんが書いている。100日間欠かさず書くのは、さぞかし大変だと思う。天声人語なども担当の人が何人かいて、交替で書いていると聞いている。
その中に「昨日、船内であるご年配の方に、この50年間で日本は何が変わったのか、と伺った。その方はなによりも『家族同士のあり方』を例に挙げ、昔はあったご近所付き合いがなくなり、日本人は他人を思いやる気持ちが希薄になったと嘆いておられた。
『出会い』『つながり』これらの言葉は、この旅で得たものとして一番多く聞く、キーワードだ。その言葉通り、まずは家族や隣人との繋がりを再検証することから始めてほしい」と書かれていた。
まったく同感で、今日の航海日誌は、コピーを拡大して壁に貼ってもよいくらいだ。このコラムにはよいことが書かれているのに、若者たちが読んでいるのかなー?
10月25日:収穫祭
前回の文化祭よりは小規模だが、ファションショーから、フラダンス、ウクレレ、三線、布ぞうり、写経、絵ハガキ世界一周と多彩だ。
女性にとってファションショーは、見るだけでなく自分が舞台に立てるチャンスでもある。和服姿のシニアも生き生きしている。
みんなで苦労して飾ったガラスケースの創作粘土も好評だ。先生を囲んで記念写真を撮る。みんなの笑顔がよい。ものを創る喜びが感じられる。
恩師の亡武田豊さん(元新日鉄会長)は、大脳生理学を人事管理に応用された方で「創造力を働かせると、前頭葉の活動が活発になり、やる気を起こす」と言われていた。話が飛躍するが、粘土細工にしろ、料理にしろ、創ることはボケ防止に役立つものと思われる。
このシリーズは「団塊世代100日間世界一周の船旅-定年後のリフレッシュ」(多田 稔著)として文芸社から出版されます。書店でご覧いただければ幸いです。7月初めより店頭に並びます。
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