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2007年3月14日 (水)

9月12日~13日:モロッコ

アラビア語で「モロッコ」を「アル マグレブ(AL-MAGRIBと紙幣に印刷されている)」という。「マグレブ」とは「陽の沈むところ」という意味だそうだ。ちょうど日本を出てから50日あまり、日本の裏側に到着したことになる。
モロッコは、古代にはフェニキア、ローマなどの支配を受けたのでそれらの遺跡もある。7世紀にはアラブ人がモロッコ、イベリア半島まで達し、イスラム教が浸透した。ムーレイ・イスマルが、1660年にメクネスにアラウィー朝を確立し、現在まで続いている。

ムーレイ・イスマルは、フランスのルイ14世と親密な関係を築いた。ルイ14世から贈られたという二つの時計もモスクに残っている。
その間1912年フランスの保護領下におかれたが、1956年ムハンマド5世が、フランスに王位継承権を渡すことで、内紛などのない無血で独立を果たした。これはアフリカの独立運動の中では、めずらしい例だという。

ちなみに、国王はイギリスや日本と違って、政治の実権を握っている。大臣の全てと、議会の総議員330の三分の一を任命できるし、軍も掌握している。
そうかと言って、専制君主ではなく、政党が28もあり言論の自由もある。王政と民主主義のバランスをうまく取っているように感じたが、一観光客には本当のことは分からない。

現在の国王モハメット6世は45才で、4年前に結婚した相手の女性は、アメリカに留学してコンピューター、テレコミュニケーションを勉強した才媛だとか。彼女のすすめもあってか女性の地位向上が著しく、現国王は「女性独立のシンボル」として親しまれている。
女性に離婚の道を開いて、裁判所に訴えられるようにした。男の虐待が証明されると、男は罰せられるという。国民の信頼を得ているようだ。

もっとも「国王がジェットスキーを趣味としていて、全国に25もの別荘を持っている」という説明をするときのガイドの心境は、どのようなものだったろう。
現地ガイドのモハメッドに「モロッコの良い所と悪い所を教えて下さい」と質問した。良い所は「親切な人が多い。景色が良い。サハラ砂漠だけでなく農地も豊か」、しかし「政治家はお金を自分のものにする。貧富の格差が大きい。25%は貧困で20%は富裕層」だと。

表立った不満の表現は使わなかったが、婉曲に政治家を批判していると感じた。エリトリアから水先案内人が二人来ていたので、同じような質問をしたとき、二人がお互いにけん制するような発言だったのを思い出す。言論の自由は一朝一夕には得られない。

  映画「カサブランカ」に出てくるサハラ砂漠が頭にあるので、モロッコは砂漠ばかりかと思っていた。しかしその気候は、地中海気候でブドウの生産に適している。ワインをヨーロッパに輸出している。トマトなども輸出しており、ヨーロッパの台所だ。
タコやもんごイカを日本に輸出しているという。東京出身のHさんによると、東京のおすし屋さんはモロッコのタコはおいしい、と言っていたそうだ。

農業が主産業でGNPの70%を占めるとのこと。もっとも土地の75%は国が所有しており、農業からあがる利益の75%も国に収めなければならない。農民は豊かではないようだ。
貧富の差が大きいようなのに、他のアフリカ諸国のように内紛の話も聞こえてこない。不思議な国だ。現状に満足しているのか、国のやり方がうまいのか。
 
(フェズ旧市街)
フェズ旧市街は、9世紀に北アフリカ初のイスラム国家の都として建設が始まった。その後1000余年を経てた今も、15万人が暮らす「生きた世界遺産」だ。最大の特徴は、1000筋ともいわれる複雑に入り組む路地。
フェズの迷絽の市場は、人一人がやっと通れる程の道幅しかない路地。無数の細かい路地が縦横無尽、網の目のようにどこまでも続く。一歩道を間違えると、二度と同じ場所に戻れないのではないかと錯覚する。
輸送機関として、ラバが細い道を堂々と行き交う。大きな荷物でかわいそうな感じ。ここでも多くのネコに出会い、我が家のサンや亡シロを思い出す。

 「バラク!バラク!」と聞こえたら「ロバが通るので道をあけてくれ」という意味だから、協力して下さいという。大きな荷物をのせて、相当早いスピードで駆け抜けていく。道幅が2メートル位しかないので、荷物にぶつけられる。
日本人と分かるのか「ロバ!ロバ!」と叫ぶ人もいた。実際にはロバよりも、ロバと馬のあいのこのラバが多かった。
もちろん、みやげ物を売る人は日本語が得意で「安いよ」はまだしも「ビンボー・ビンボー(貧乏人の値段という意味か)」というのには脱帽。いったい誰が教えたのだろう。

なめし皮工場の臭いは強烈だ。皮の臭いか、皮をなめす薬品の臭いか分からない。入り口でミントの葉をちぎって渡される。それを鼻にこすりつけるようにして見学した。
それでも息苦しいほどの独特の臭い。これはDVDでも伝えられないものの一つだ。ここで買った太鼓は、皮の臭いがきつくて、帰ってから日干しで乾燥させないと使えないかもしれない。(ずっと外に置いてあるが、12月末でも、まだ臭う。)


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