カンボジア人とその生活
(カンボジア人とその生活)
カンボジア人も日本人と同じように温かくて親切だ。ホテルで同室だったMさんは、その理由を「日本人もカンボジア人も多神教(それぞれ仏教・ヒンドゥ教)を信仰しているからだ」
「ユダヤ教のように一神教では、自分と相容れない者に容赦がない。多神教は他を許すこころがある」と説明していた。そうかも知れない。おもしろい見方だ。勉強する価値があるかも知れない。
ただ、日本も多神教だが、自分のグループメンバーでない「よそ者」には排他的なところがある。日本は基本的には、農耕を生活の基盤におく「村社会」である。水田に引く水を共同で使ったり、村全員で助け合いながら稲刈りをするなど「運命共同体」だから「集団主義」の要素が強い。
メンバーと違った行動をとる者には、調和を乱すものとして「村八分」という制裁を課す。また、仲間をかばいあう結果、組織としての自浄力に欠ける面がある。雪印事件や三菱自動車事件などは「ムラ社会」が原因と言われている。
ビジネスの世界では、日本の「集団主義」と外国(例えば、アメリカ)の「個人主義」とどちらが良いか、という議論をする。そして結論としては、両方の要素を調和させる(長所と短所を取り入れる―ハイブリッド―)のが理想だというのが一般的である。
京セラの稲盛会長は、安易なグローバル化に「和魂洋才」と言って警鐘を鳴らしている。外国の良さを取り入れる際に、日本の良さも残すべきだという。まったく同感。
こうした日本の良さを残すことについては、企業の世界ではかなり意識されているように思われる。しかし、一般には外国コンプレックスからか、何でも外国のものが良いと決めてかかり、日本の良さを忘れてしまう傾向がある。
日本の伝統を維持することは、時間とエネルギーがいる。特に若い人に日本の伝統が伝わり難い。地方の神楽などの舞い手の後継者がいないと言われている。お寺を中心にした祭りの維持も難しい。やっと町内会のお祭りが3年に一回くらいあるぐらい。檀家という言葉にいたっては死語だ。
ガイドのサムナンさんによると、都会での生活費は月50ドル、田舎では10ドルと大きな差があるという。
ホテルなどの新築ラッシュで、ビル建設の手伝いは一日2ドルとか。ということは、観光地で子供が売っている絵葉書10枚のセット2ドルは、高収入ということになる。
カンボジアでは、バイクが通勤など日常欠かせないもののようだ。我々のバスの間をぬって猛スピード追い抜いていく。道端には2リットルのペットボトルにガソリンを入れて売っている。
アンコールワットで観光に使ったバスは、ふた昔前の「木炭バス」を思い出す古い車だった。ハングル文字が車体に残っていたから韓国製と分かった。徒歩で観光している間にファンベルトを取り替えていた。途中でエンコしなくてほっとすえる。
フランス領だったなごりか、ホテルでのパンがおいしかった。比較的高いツアーなので、ホテルも高級ホテル、食事の内容も良かった。他のパッケージツアーと値段の比較をしても始まらない。
ここまで来てアンコールワットに寄らないのはもったいないし、最後のチャンスと思い参加した。今回の3泊の旅でMさん(元金融マン66才)と知り合い話がはずんだし、顔なじみもたくさんできた。
ピースボートでの船旅を考えている方にアドバイスするとすれば、オプショナルツアーは旅行の早い段階で取ったほうが良い。そうすると、相部屋になった人とじっくり話が出来て良い友達になれる。その後の旅行で話し相手になるし、輪が広がる。
上陸説明会で「カンボジアは日本と違っていろいろ不便ですので、あらかじめ理解しておいて下さい」と説明していた。
しかし、アンコールワットの中で、女性用トイレから「あら、鍵がないわ。電気がつかないし、トイレットペーパーもないわ!」という声が聞こえてきた。
カンボジアでは紙は貴重品なので、現地の人は、トイレットペーパーを使う習慣がないそうだ。だから水洗トイレは、紙を流す前提で設計されていない。水洗トイレで紙を使うとつまってしまうことになる。
それを防ぐために、使用済みの紙を入れる箱があるとか。これは台湾と全く同じ。もっともトイレには行ったが、大の方でないので実際に箱が置いてあるかは確認できなかった。
もちろんホテルには箱はなかった。ホテルの水洗トイレの設計は、一般のそれと違うのかも知れない。「ここは日本ではありません」と自分を納得させる。
電気も高い(輸入していると聞いた)ので節電が徹底している。我々の泊まったホテルでも観光して帰ってみると、部屋の電気が全部消えていた。すぐにレセプションに電話する。
キーカードを差し込むと電気がつく仕掛になっていた。
(カンボジアの入出国審査はきびしい)
前述のMさんは、用意周到に水筒を持ち歩いていた。入出国のX線検査の所で、女性係官がその水筒の中身を飲めというしぐさをしている。まわりの皆も唖然とした。
荷物検査が二回あるし、入出国審査のあと、ほんの10メートル歩いたゲート前で、またパスポートをまた見せろという。
30年前に、モザンビーク(南アの北隣)を仕事で訪問したことがある。その時には、空港で少年兵が銃を構えていたが、独立した直後でもあり違和感はなかった。今回は異常にきびしい。安全は大事だがやり過ぎも迷惑だ。
その後インド洋上で、イギリスでペットボトルによるテロ未遂事件があった、というニュースを聞いた。「安全は大事だがやり過ぎも迷惑だ」などと言っているのは良くないのかも知れない、と反省。
カンボジアは、正しいことをしているのかも知れない。このあとトルコでもテロ事件があり、日本の新聞に大きく取り上げられたと船内の掲示板で見た。この時はさすがにすぐ留守宅に電話した。もっともテロのあったのはテヘランで、我々の寄港地イスタンブールとは相当離れているが、留守家族は心配する。
(カンボジア国内便は、ミストのエステサービス付)
シェムリアップ(アンコールワットのある都市)からプノンペン(首都)への国内便だから、プロペラ機は納得(PMT航空、AN-24型)。
しかし、離陸準備中エアコンを入れてくれたのはよいが、いきなり冷風の吹き出し口から霧がどっと出てきた。みんなびっくり。耳鼻科でのどに蒸気をあてる、あのような霧だ。
添乗員があわてて、天井から垂れる水滴をトイレットペーパーで拭くしまつ。これを称して「ミストのエステサービス付」PMT航空はロシア籍と説明を受けたが、事実かどうか確かめるすべがない。
さらに「窓からタイヤが見えたけど、ツルツルに磨り減っていて中の白いものが見えた」という話を、飛行機から降りてから聞いてゾットする。
機内では、マラリアを媒介すると言われる「蚊」のおまけも付いていた。まさか機内に蚊がいるとは予想していなかったので、半そで姿の私は、あわてて虫除けの薬を塗る。
もちろんバスの中にも、レストランにも蚊がいるので、ホテル以外では気が抜けなかった。だから日中35度と暑いのに、どこに行くのも長袖、ジーパン姿だった。飛行機は大丈夫だろうと思っていたのに。
カンボジアに出発する前の説明会で、カンボジアはマラリアの汚染地域になっているから予防薬を事前に飲むよう勧められる。7月25日から9月5日まで週一回合計7錠飲む。2,000円は安心料。
ところで、Mさんの父上は、戦時中支邦でマラリアに罹ったとのこと。しかし、そのお陰で赤紙が来ても、身体検査で不合格となり生き延びたとか。何が幸いするか分からない。マラリアにかかると体内で卵から幼虫、成虫と成長する過程で高熱が出ると教えてもらった。

ピースボートって若者達対象の船旅NPOと思ってました。随分いろいろな人達が参加しているのですね。お話の隅々に多田さんらしいエピソードが盛り込まれていて、思わず笑ってしまいました。
今回はお一人で参加されたのですか?どうして奥様は参加されなかったのですか?
2月1日に詳しい話を聞かせてください。
投稿: 園田成和 | 2007年1月22日 (月) 12時55分